劇団イノコリ古民家公演「いのこり」
2015-10-24 記
劇団イノコリのお芝居は過去に何度か見ている。私が一番最初に「小さなお芝居でも楽しいものもあるんだな」と思ったのは彼らの「隣の食卓は美味しくない」という作品だった。今回はそんなイノコリの五周年記念イベントということらしい。
「さよならのスピカ」、「再懐」の二作品。チケットは前売りで買って1800円。
戦後間もない日本の家族物語。
総じて、安定のイノコリクオリティだと感じた。今回のは一般人にウケるテイストの普通のエンターテイメントで、私としては大変ありがたい。役者が気にならず、ちゃんとお話を見ることができた。これはイノコリ作品を含めても自分至上初めて。
一作目は私好みの少し不思議な物語。ああいうファンタジーな世界観は好きだ。ただ、大きくなくていいからもうちょっと距離のある劇場だったらよかったのにと思った。お上手だったしきれいだったけど、あの至近距離で突然歌とか歌われたら、正直、引く。目が覚めてしまう。
二作目を見て、ああバランスのとれた二作だなあと思った。暖かい夫婦が素敵で、ALWAYSの鈴木オートを思い出す。十分楽しくて満足なんだが、見たい要素が少しばらついてて散漫だった印象がある。
普通の人だったら気づかないかもしれないストーリーの解釈やつながりを、ちゃんと分かってる人に教えてもらって「おおー」と思ったことが幾つかあった。私は映画なんかでもこういうのは鈍い方だが、舞台は二回見ることができないので、いっそうもどかしい。
気に入らなかったのは客席があまり快適でなかったこと。こういう規模の公演はいつだって別に快適ではないが、今回のはとりわけ窮屈でケツが硬く、そろそろ作品から注意が削がれかねないレベル。
何はともあれ、おかげさまで会社のハロウィンパーティーから逃げ出した金曜の夜に良い一時間半を過ごすことができた。次の公演も楽しみにしています。
九十九ジャンクション第2回公演『そして、飯島くんしかいなくなった』
2015-10-24 記
日本に帰ってきてからちょこちょこ小さな舞台を見に行っている。九十九ジャンクションは楽屋裏でコソコソでも早くから紹介されている。紹介内容覚えてないけど。チケットは3800円。
どっかの町の市民集会所で今日も、「被害者をつくる会」が開かれる。
終わってみれば私の好きな類の世奇な物語だった。しかしながら、幾つかのキャラクターに違和感があってストーリーに入るのを邪魔される。今作で一番はおそらくお父さんの役。あとちょっと長い。お話が私好みなだけに、前半スローで少し残念に感じた。
とはいえ前述の通りお話は好きだ。3800円なら、うーん、半年に一回くらい見たい。
モノクローム~FOLK US~
2015-10-24 記
会場が浅草だった。あんま浅草行ったことない気がする。とても混んでいるなー。チケットは3500円。
多くの若者が、ギターを片手に理不尽な差別や社会への批判を歌詞にした、フォークソングを歌った昭和40年代。そんな時代とは縁もなく、新宿の盛り場で起こるハプニングを隠し撮りしては、ゴシップ雑誌のネタにして小遣い稼ぎをする青年。ある日いつもと同じ歌舞伎町の路地裏で1組のカップルを見かけた。手にしたカメラのシャッターを押した時から不思議な物語が始まった。
あまり好きじゃなかった。終了後、近くに座っていた若めの女性グループが、とてもよかったとか最初から最後までツボだったとか言って大盛り上がりしていた。寝言は寝て言った方がいい、というか、舞台は目を開けて見た方がいい。…なんて思ったけど、しかしまあ、こんなのはみんな好みの問題だろう。
とりあえず音楽を使ったお芝居がしたかったんだなあというくらいの印象。キャラクターの違和感や勝手に見える展開などでとことん置いて行かれ、おとぎ話の世界に全然迎え入れてくれない…。
よかったのはリコーダーの音色。懐かしいな。小中学校でよく吹いたよね。吹いてた人も温厚でいい人そうだった。
F³「楡の木陰の欲望」
2015-11-15 記
原作は有名な昔のお話らしい。
特にお話が覚悟していたほどずっしりくる感じでもなかったんだが、それ抜きにしてもああしっかり作られたお芝居を見たなあという気がした。どうしても私は芸術に疎い人間なので、全体がshowとしてまとまっているものを好みやすい。アングラ感あるけど、ちょうどよい演出のお陰で違和感なく楽しめる。
当日券で3800円。今年ここまで見た舞台の中で最も人に安心して勧めやすい。
WAR→P in fantasy 〜暦星と虹の冠〜
2015-11-21 記
ゲームのキャラクターとしてその世界を楽しめるという参加型舞台。つまりグリードアイランド。前売券+ワンドリンクで3500円。
ゲームの「クリア」みたいなことには正直あまり興味なく、世界にゆったり浸りに行った。参加型ということで一人で楽しめる自信がなかったのでにーちゃんと一緒に行ったんだが、ほとんど別行動していた。彼は真面目にコツコツゲームを進めていて、やっぱよくできたにーちゃんだなあと思った。
参加者はどうやらゲームの進行にコミットしてる人が多くて、ゲームさておきでいろいろその世界の人とお話したかった自分としては少し不完全燃焼だった。暇そうな人見つけて話しかけてもすぐに後ろに列ができるから、「あ、まじな人来たから帰ろう」ってなる。まあ、役者の方が少ないんだし、そうなるよね。この辺りはオペレーション難しそうだ。
正直ちょっと荒削りと感じたけど、結構楽しいから、これからもどんどんクオリティ高めてたくさんやってほしい。
Pityman 「そのゆびにぎって」
2015-11-29 記
子育てとはなあ、的な家族物語。
悪印象はないのだが、そもそもあまり印象に残らない作品だったように思う。それらしい感じの深そうなテーマがあって、それだけでふわっと終わってしまった。主人公は割と大きな決断をするが、それに至るまでのビルドアップがないので非常に浅はかな印象を受ける。「Xについて描きたいが、Xについてよく知らない」という人が作ったみたい。
前売り券で3000円。
オレアナ
2015-11-29 記
テレビで見るような人が出ている舞台を見るのはこれが初めてだと思う。
女子学生が「まじ授業わかんないんですけど」っつって先生にお話聞きに行く。
むー。もっと良いの見たい。チケットは人からもらったけど7800円。二倍お金払ったからって二倍圧倒してもらえるわけじゃないよね、そりゃあまあ。
朗読パンダVol.3「朗読劇カヴォラータ」
2015-12-21 記
朗読パンダvol3「朗読劇 カヴォラータ」(こういうページのリンクがいつまで有効かわからんが…)
作家集団が届けるオムニバス。4作で90分。一つ目は洗濯物が下着泥棒と戦うお話。二つ目は高校生の女の子が亡くなる話。三つ目はAスタジオとBスタジオが混乱しておもしろいアニメの話。四つ目は会えなくて寂しいカップルのお話。
洗濯物とAスタBスタはいらない。前者は学芸会みたいで見てられない気分になったからだけど、後者に至っては本でも楽しめないと思う。最初、上手なコントみたいな感じかと思ったけど、結局ただ混乱して遊んでるだけだった。高校生が死ぬやつは一番最後が好きなので、自分としては「あれをもっと引き立たてなくてはだめじゃないか」という感じ。これは役者力かなあ。四つ目は確かに寂しさの話なんだが、それタイトルで言ってくれるなよ…。
全作品、お話のベースは好きなんだが、ストーリーのツメが甘い。「だいたいこんな話にしたい」で止まっている印象。そして全作品、お話の見せ方のクオリティが低い。棒読みだったり、極端に説明的なセリフがあったり。
そういえば朗読劇とは本来どんなものなのだ?声優が声を当てるシーンではもちろん違和感がないが、その他で本を片手にやっていた時は、なんだか稽古風景を見せられている気がしただけだったんだが。
前売りで2800円。今年の観劇はこれが最後ですかねー。
DNA-SHARAKU
2016-02-06 記
2015年の私が行ったエンタメNo.1は、新妻聖子さんのライブであった。顔中から出てそうな声に圧倒されるなどして、ライブがいいというのはこういうことかあ、と思ったのだった。そんな新妻聖子さんが出るミュージカルのチケットを入手したと妻が言ってきたので、一緒に連れてってもらった。ライブのミュージカルは初めてかな。レミゼラブルくらいしか記憶にない。
無駄な二時間半だった。
お話を展開させるための強引なセリフや行動が多く、どうもお話が雑だなあという印象。しかしミュージカルなのだからまあお歌を楽しませてくれればいいかあとなるのだが、歌は歌で途中でボツボツ切ってお話に戻してくる。いや、せめてナオトインティライミと新妻聖子を、活かせよ。
休憩時間後に、「後半は新妻聖子単独コンサートをお楽しみください」となる展開を期待したが、叶わなかった。
広島に原爆を落とす日
2016-02-06 記
つかこうへいさんというのは偉大な演出家(?)で、ファンが多いらしい。妻もまたその一人らしい。
はっきりとした展開よりも、長いセリフが多く、おお、深いことやらうまいことやらを言っているお話なのかーとか思うのだが、なにぶん一番喋っている主役の男性含めて主要な役者の誰のセリフもまともに聞こえない。キャラクターのビルドアップも不十分で、「もしかしたらここが感動ポイントなのかも…」という想像くらいしかできない。というわけで、ああ、とにかくただひたすらに長い。
島の原住民の女性は声がちゃんと聞こえたのでよかった。
しかし全く最近はハズレばかりで、私はもうライブ演劇を見るのをやめたほうがいいのだろうか。4800円。